スケジュールに敏感なシステムエンジニアがスケジュールに追われる理由。~会社で徹夜した朝に~
昨日、会社に泊まった。翌日のサンマルクカフェにて。
ベンチャーに勤めてた頃、「大企業のに入ったら、お泊りさんとか脱出できる!これで上級国民!!」と思っていた。
ところが、もう直ぐ10年目になる今日この頃。今もお泊りさんなのはいかがなものと思う今日この頃。どういうことだよ、ママン!
という反省(逆ギレ?)を踏まえながら、サンマルクカフェへ。
あーチョコクロうめぇ。
さいきん、Amazonで商品紹介すれば画像の著作権におびえなくてすむことに気づいた。自分の発想に感動するわ。マジで。
でも、サンマルクカフェのチョコクロワッサンがなかったので、それっぽいやつを選んだ。食べたことは無いので、間違っても買って私にクレームを入れないように!
泊まりさんがどうして生まれるかについて
経緯もクソも仕事があるんじゃボケェというのは簡単なのだが、そんな仕事の状況が生まれた経緯および、自分の判断基準について整理しようと思う。
1.そもそも、私の仕事について
私はシステムエンジニアという職種のニンゲンで、主に人と会話して暮らしている。技術も少しは知っているが、プロというにはおこがましいレベル。
私はお客様のシステム開発部門の人と一緒にアプリケーションを造るエンジニア。つまり、派遣。・・・ではないが、実質、派遣された人みたいな生活をしている。自社よりお客様の開発先に行くことが大半。あれ?自社ってどこだ??
2.普段の生活について
それっぽいリーダーっぽい雰囲気いるので、何かと決め事とか会議とかに呼ばれやすい。知識のある人、知識の無い人と色々いるのだけど、何より、知識の無い人との会話にエネルギーを使う。時間も使う。まぁ育成も兼ねたら、仕方ないんじゃね?という同僚もいるが、まてまて同僚よ。同じ事を3回も5回も聞き、しかも、画面の閉じるボタンの有無に1時間も議論できる人に何を教えたらよいのだ。おお、私の神よ(*1)
(*1)ちなみに私は無神教のつもり。死んだらたぶん仏教的な葬式を行うと思うが、理由は世間体だけ。
3.仕事が遅れる理由
そうだった、ここまで書いて大事なことに気づいた。スケジュール、そう、スケジュールが予定通りいかないんですよ、奥さん。
と、ここまで考えて気づいたのだが、昨日、以下の本を後輩に伝えた。しかも、2章のスケジュールについて、先輩風を吹かせながら話した。で、よくよく考えると、教えられるほど実践していないなぁと思うこと多し。こっぱずかしい。
アート・オブ・プロジェクトマネジメント ―マイクロソフトで培われた実践手法 (THEORY/IN/PRACTICE)
- 作者: Scott Berkun,村上雅章
- 出版社/メーカー: オライリー・ジャパン
- 発売日: 2006/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちなみに、この本はかなり良い本です。初体験のモノヅクリを行うプロジェクトという運営携帯は、 必然的にスケジュールを決めるのが難しいジレンマを抱えている。なんでかって?そりゃ初体験だからさ。皆、初体験のときは、どうやってやればいいかわからないだろう? そりゃ全く真っ白な状態から始めるのは無いにしても、作るものは新しいものなので、予実が会うわけではない。だから、スケジュールに関しては敏感になれる種族なのだ、我々は。
スケジュールに敏感なエンジニアがスケジュールに追われる理由
話を戻そう。スケジュールに敏感なエンジニアがスケジュールに追われる理由は、金と政治と感情だ。たまに技術力が不足して、出来たモノが品質が悪くて問題が起きて、ボディブローのように毎日いじめられて家に変えれないこともあるが、それは結果論だと思う。
で、俺が今日、朝になってあわてて「ああブログかかなきゃ!」と思って、近くのサンマルクカフェに逃げ込んだのは、前者の金と政治と感情(なんだか映画か演歌のタイトルみたいだな)によるものだ。
簡単にまとめると、
- 金:コンペとシステムの売りあいっこをやった結果、焼け野原が残った。そう、マルチベンダーという複雑なプロジェクトとなり、要件および要件と各社の境界線もあいまいで、コストもコンペとの戦いにより尋常じゃなく少ない。お金がないということは、資材も人も使えない、全身縛られているにもかかわらずフルマラソンするという離れ業を強いられているようなものだ。
- 政治:お客様は国内でも有名な大企業だ。大企業ゆえに、色んな部署があり、色んな視点と利益供与があり、決め事が決まらない。結果的に、「ウィンドウを閉じるボタンは「閉じる」がいいのか「終了」がいいのか、「キャンセル」がいいのかというどうでもいいことに1時間消費する(しかも10人がかりで!)という珍妙な事象がたまに発生する。
- 感情:政治にも関係するが、たとえばベンダーが設計書を納品したとき、お客がベンダーを不信感を持つと、憎しみをぶつけるように細かい指摘を行う。しかも、悲しいかな、技術スキルがないので、見た目だったり、確認だったりというあまり効果的ではない指摘に成り下がる。更に悲しいことに、指摘する人はだいがい先が見通せないので、ベンダーをいじめると、ベンダーの次の納品が遅れたり、品質が下がったりすることを理解していない。結果的に、ブーメランとなって、指摘した担当者はプロジェクトの後半戦で苦しみ、上司に怒られ、それをベンダーにぶつけるという悪循環に陥る。あえて言おう、お客様よ、大事なのは菩薩の心だ。
という感じかな、と思う。
俺のいるチームは固い仕事をしているところもあり、3のダメージはあまりなかった。それは幸いだが、1と2のダメージが思いのほか大きい。特に1と2の複合ダメージが半端ない。
1で決まっていない要件を固める必要があるのだが、2の政治によって決まらない。しかも人がいない上に、お客と対峙できるベンダーのメンバーはだいたいリーダークラス。恐ろしいことに、リーダーが不足するのだ。レビューアがいない。
「そんな品質大丈夫か?」と、思っている俺をよそに、他社は「大丈夫だ、問題ない」といって突き進み、ある日突然、スケジュールは1ヶ月遅延したと言い出した。
なんてことだ!!昨日オンスケジュール、日が明けると1ヶ月遅延。その日付変更線で君たちは時空を超えたのか!?ちなみに、そんな会社単位で遅延がバタバタ起きる中、彼らはよる9時には帰る。ホワイト企業だ。同じ開発ベンダーなのに。。。
ちなみに、順調に進んでいる自分らがお泊りしたり、休日出勤したりしてオンスケジュールにしているのがなんともいえない。たぶん、社員としては前者のほうがいいんだろうなぁ・・・。お客様からしたら、どっちがいいんだろ・・・? いや、そもそもお客様はわが身を直せ。
ということをぐだぐだ考えていたら、もう出社時間が近づいてきた。
チョコクロが店内で食べたにもかかわらず、冷たかったり、紙製のカバーにマーガリンがついていたりと散々だったが、チョコクロを食べたら、一気にどうでもよくなった。
昨日とまったこともどうでもよくなったので、今日も一日前向きに生きていける気がしてきた。ちなみにチョコクロWithマーガリンは意外にうまかった。
とりあえず会社に泊まったら、翌日にチョコクロを食え。
幸せになれるぞ、と。
ではまた。
(この記事は気がついたら朝だった悔しさをバネに40分かけて書かれました。感情による勢い、スゲェ)